Author: admin-ASAHIDO

京焼の歴史の中でとりわけ異彩を放っている『京薩摩』。人間業とは思えない緻密な絵付と極彩色の文様は欧米諸国をはじめ世界で一世風靡しました。明治期から昭和初期に製作され数々の名品を世に送り出した『京薩摩』ですが、恐慌や世界大戦の中でその歴史を終えました。 空女氏は『京薩摩』に魅了され、自らの表現として細密画に取り組む色絵付けの名工です。肉眼では確認できないほどの繊細な着彩によって織りなされる絵付は驚愕の一言です。 鹿児島県の薩摩焼窯元によって造形された総透かしの被せ蓋の中には蝶のモチーフが施された香炉、その香炉と台座に余白なく彩られた絵付。 再現不可能とまで言われた『京薩摩』が、現代の名工によって新しい形で生まれ変わりました。

 轆轤で成形したのち、石膏型に押し当てることでできる菊の花のような形は伝統的な器の一つです。見込みに料理を盛り付けることで、器と料理の一体感が生まれます。 端整な形と狂いなく施された絵付、確かな技術で作られたこの作品は華やかな京料理文化を彩る器です。

独自に調合した陶土・釉薬により彩られた赤紫色のシリーズ『紫彩華紋』は、京都らしい上品な器です。 華やかな花柄のデザインは三島手によるものです。朝鮮王朝より伝来した『三島手』は成形した陶土にハンコを押して柄を生み出す技法です。古来より茶人に愛された高麗茶碗の名品にもその技法が使われています。 侘びの代表格として称される高麗茶碗は本来落ち着いた鼠色や黄色の器ですが、『紫彩華紋』は金彩や白化粧が施され華やかです。森里陶楽氏は代々『三島手』を継承してきた陶芸家の家系を継ぎ、独自の感性から『紫彩華紋』を生み出しました。 この透かし鉢は『紫彩華紋』の中でもとりたてて華やかな器です。紐状に伸ばした陶土を器に張り付けて渕とつなぎ合わせることで透かしています。成形する手間は当然ながら、複雑な造形から焼成時に変形やヒビが生じるリスクがあります。 無数に押された三島手と複雑な造形は『紫彩華紋』シリーズを象徴する作品です。

交趾焼の名工である中村翠嵐氏による緻密な細工と交趾釉による彩色が施された風神雷神の置物です。ガラスのような光沢と透明感が特徴の交趾釉は上絵付の絵具と比べて流れやすく、そのままでは彩色を絵として表現することは困難です。そこで、陶土を線のように盛り付けるイッチン技法をもって色分けを可能とします。 その工程は複雑で熟練した技術が必要となります。それぞれの色によって焼成温度が異なる為、二度三度と焼成します。陶土に負担がかかる為、耐えられる限界を見極めることが求められます。 その複雑かつ困難な技法によって生み出される作品は、とても陶磁器とは思えない極彩色で透明感がある美しい仕上がりになります。数ある陶芸の技法の中でもひときわ彩りが象徴的な技法です。俵屋宗達の屏風をはじめ、東洋美術・仏教芸術において様々な形で表現されてきた風神雷神。こちらの作品は、屏風絵では表現できなかった背面に至る迄、極彩色の交趾釉が施されている極上の逸品です。

交趾焼の名工である中村翠嵐氏による緻密な細工と交趾釉による彩色が施された風神雷神の置物です。ガラスのような光沢と透明感が特徴の交趾釉は上絵付の絵具と比べて流れやすく、そのままでは彩色を絵として表現することは困難です。そこで、陶土を線のように盛り付けるイッチン技法をもって色分けを可能とします。 その工程は複雑で熟練した技術が必要となります。それぞれの色によって焼成温度が異なる為、二度三度と焼成します。陶土に負担がかかる為、耐えられる限界を見極めることが求められます。 その複雑かつ困難な技法によって生み出される作品は、とても陶磁器とは思えない極彩色で透明感がある美しい仕上がりになります。数ある陶芸の技法の中でもひときわ彩りが象徴的な技法です。俵屋宗達の屏風をはじめ、東洋美術・仏教芸術において様々な形で表現されてきた風神雷神。こちらの作品は、屏風絵では表現できなかった背面に至る迄、極彩色の交趾釉が施されている極上の逸品です。

優に尺を超える大皿に染付で鷹が描かれた作品です。染付絵は素焼きの胎土に酸化コバルトを主原料とする絵具で絵付けし、焼成で藍色に発色させる技法です。染付絵は下絵付であり、絵付の上から釉薬(うわぐすり)で保護されているため、その発色は褪せることがありません。しかし、絵付けの段階で濃さや色味が判別しにくいことから、上絵付のような緻密な絵付けが難しいとされています。その中でこの大皿は、睨み付ける鷹の眼光は鋭く、鷹の羽や松の葉のひとつまで緻密に描かれています。今にも飛び出してきそうな鷹の様は永く美しく芸術的な作品です。